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2020-09

夏の終わりに



警戒アラートが毎日発令されるような、すごく暑い日
がずっと続いていましたが、今日は久しぶりに涼しく
なって、さっきまでけっこう強い雨が降っていました。
ほんとうに久しぶりの。
一応快適に過ごしていますが、頭が痛くなりそうな
気配が少々…

この何日かは遺品整理に励んでいますが、暑くてすぐ
休憩。そんなときには冷たい麦茶を飲みながら、
恒川光太郎著夜市を読んでいました。
先日Twitterで読書家の女性がツイートしていらしたの
を見て思い出して。

この本は何年か前、ちょうど今頃のような夏の終わる
頃に読んで深く印象に残った小説です。
日本ホラー小説大賞受賞作ですが、どちらかと言うと
ファンタジーに近いのではないかと思います。
恒川さんの描かれる怪しくも美しく、そして懐かしい
ような異界にすっかり魅了されてしまいました。

この表題の「夜市」もいいけれど、私は併録の
「風の古道」がお気に入り。
このタイトルを一目見たときからいい予感がして
気持ちが逸って。

このお話をかいつまんで書きますと、異界の古道に
迷い込んだ、ふたりの少年たちと、その古道を旅する
不思議な青年の切なくて物悲しいお話です。
とくに旅の不思議な青年には心引かれました。
その生い立ちを読んで切なくも…


古道の描写にワクワク。一部抜粋します。

歩いていると、この道には未舗装という点以外にも、
ただならぬ奇妙さがあることに気がつく。
道の両脇の風景はブロック塀や生垣、板塀に囲まれ
ている家が並んでいたが、どの家も玄関を道側に向
けていなかった。
両脇に建つ家がこの、路地裏と呼ぶには少しばかり
幅の広い未舗装道に向けている向きは、一つ残らず、
後ろか、もしくは側面なのだ。
表札付きの門など一つもなかった。また電信柱もな
かった。郵便ポストもなかったし、駐車場もなかった。
人気のない道はところどころで曲がりくねりながら
も住宅の中を切れることなくずっと続いていた。
なんだか夢の中にいるような気分だった。

(こんな魅力的な、もののけにも遭遇したようです)

少し歩いたところで、私たちは再び足を止めた。
道の先の蜃気楼のようなゆらめきに、何やら赤いも
のが見えたからだ。その赤いものは上下に小刻みに
動きながらやってくる。
私とカズキは道の端に寄った。身を隠すものは
なかった。
道の向こうから迫りくるものの姿が次第にはっきり
してくる。
赤い傘をさした、着物姿の女性の一団だった。
全部で7、8人いる。傘は古風な紙貼りのもので、
着物は藍や紅の中に金糸が織り込まれた上等なもの
だった。髪は結ってあり、顔には白粉が塗ってある。
先頭の女性が、私たちに会釈して通り過ぎると、
後ろに続く女性たちもそれに倣った。
彼女たちは風の中を舞うように、悲鳴に似た尾を引
く音を残して、私たちの前を通り過ぎていった。


          恒川光太郎「風の古道」から


最近出会った小道をこの「風の古道」に重ねてみました。
以前、梅雨が明けたら行ってみたいとつぶやいた小道です。
先日ちらっと見に行ってきました。


20200822105103.png



20200823130023.png


この道は山の方に続いているとばかり思っていましたが、
なんと行き止まりでした。
私は地図を見て歩かないので(地元なので…)新鮮な驚き
となりました。(ちょっとがっかりも)


20200822102637.png


でも違う次元ではこの小道は、ずっと先の方まで続いて
いて、山にある桃源郷にも繋がっているかもしれません。


Gryffin, John Martin Cry






では良い日曜日の夜を。














梅雨寒の1日



今日も雨です。しかも冷たい雨が降っています。

もうそろそろ梅雨明けの声が聞こえてもいい頃なのに…
それに寒くてしょうがないので、しまってあった長袖
のロングシャツを出して羽織っています。
夏が待ち遠しいですね…。
でも夏になったらなったで暑いのなんのと文句ばかり
になりそうだけど。


先日、前から気になっていた詩集がやっと届きました。
長田弘著「深呼吸の必要」です。
ちらりと見たところ、とても優しい言葉で分かりやすく
書かれているみたいなので、読解力に問題のある私でも
きっと大丈夫。(漢字が少なめもいい感じです)





とても軽くて小さな詩集です。





解説によりますと、この本には「人生のなかで深呼吸が
必要になったときに心に響いてくる言葉たち」
…が散りばめられているようです。
しばらく私はこう言うものの力が必要になるような気が
しますので、今夜から読み始めようと思っています。

この日はぬれ縁に座り、時々霧雨が降るのを眺めながら
届いたばかりの本をぱらぱら見ていたら、蝶がひらひら
飛んできました。
そして防災備蓄品(テント寝袋など防災グッズ一式)
が収納されている物置の前の紫陽花の葉っぱにしばらく
止まっていました。まるで休憩するみたいに。





それと、私には不安でざわざわしているときや緊張して
いるときに決まって思い出す言葉があります。
それは、昔いろんなことがあってピリピリしていた頃、
親友がよく言っていた「深呼吸して。深呼吸3回」です。

大きく息を吸って吐いてをゆっくり繰り返すこと3回。
気のせいかふっと何かが収まって、少し楽になれるよう
な気がしました。

今日は深呼吸1セット3回をあと何回か…の予定です。


Samm Henshaw - Broke





良い週末をお過ごしくださいね。
















時間にして約5分くらい



先日滞っている習慣のことを書きましたが、その中のひとつ
に読書があります。

今は集中力が続かなくて、以前のようにじっくり本を読むこと
が出来なくなっています。
読んでいると途中で他のことに気がいってしまい、そのまま
ストップすることも多くて。
とくに新しいものはダメみたいです。
2度目、3度目のものはわりとすんなりに頭の中に入って
くるのですが…。


最近読んでいるものは、以前買った時にちらっと見ただけで
ほぼ新品のまま本棚の隅にあった宮本輝氏の「魂がふるえるとき」
です。ほとんどが「はじめまして」の作品ばかり…。





なんだか難しそうな文学作品ばかりなので私にはハードル
が高いような気がしたけれど、途中で他の本に浮気しながら
ゆっくりペースで読み進めています。

今はようやっと堀田善衞「鶴のいた庭」を読み終えて
今度は幸田露伴の「幻談」にしようかと思っているところです。
タイトルからして怪談っぽいのでちょっと楽しみ。

これからもこんな風に短編作品を中心に、本の世界にお邪魔
しようと思っています。
1日少しづつ、何回かに分けて気負わずに毎日。
筋トレと同じように…。


まねして私のお気に入りの短編を…。
(レイ・ブラッドべリとアーウィン・ショウは外せなくて)

レイ・ブラッドベリ   びっくり箱、風、群衆
アーウィン・ショウ   夏服を着た女たち
フィッツジェラルド   カットグラスの鉢
アガサ・クリスティ   赤信号、ジプシー、ランプ
小松左京        悪霊
椎名 誠        夜なのに林のむこうからおはやし
            がきこえてきた。
瀬川ことび       本と旅する彼女
早川司寿乃       町、桃源郷
向田邦子        かわうそ
吉本由美        坂道を影が上がって来た

…やはり不思議なものが多くなってしまいました。


LANY - Thick & Thin

この時間帯の雰囲気がいいですよね。





…気圧の変化の影響を受けているせいなのでしょうか?
頭痛はないのですが、このところちょっと沈みがちです。
憂鬱でどーんと落ち込むのではなく、涙もろくなっている
感じ。沈んではいるけれどそれが案外楽な感じも。

















日傘にジーンズ



今朝は暖かかったので外の空気を浴びたくなり、6時頃から近所を
ちょっとだけ歩いてみました。

このごろ日差しも強くなってきて、そろそろ日傘の出番かもしれません。
毎年日傘のシーズンになると思い出すのは、山本容子さんの画集&エッセイ
「女」の中の「日傘をさす女」です。
この本に出会った頃は今ほど日傘をさしている人は多くなかったように
思います。

その当時の私にとっても日傘と言うと、和服の時やあらたまったお出かけ
の時に使うものだと思っていました。あと、母たち世代の人たちが使うもの
だとも…。ですからこの「日傘にジーンズ」はとても斬新に思えました。





今から二十年前、京都芸大の学生だった頃に、仲間だけではやったファッションがあった。
それは、ジーンズに下駄ばき、そして夏には日傘をさすといったスタイルで、シャツやセ
ーターは手作りの素朴なものを着るほうが良かった。シャツは、生成りの天竺木綿を染色
の教室で好きな色に染め、それを二つに折り、わきの部分を直線に縫う。あとで筒状の袖
を縫いつけ、首回りを丸く切りとるといったものだった。
大学は木造で、教室の床は木製だったから、下駄でガラゴロ歩くと教師からひんしゅくを
かったが、わざと授業時間に遅れてガラゴロと音をたてながら入室するのが格好良かった。
このスタイルは、女性徒だけにはやったが、昔の蛮カラ学生の女性版といったものだった。
でも、下駄は黒塗りに赤や緑の鮮やかな鼻緒のものだったし、日傘も深窓の令嬢のさすよ
うなものだったのでおしゃれだったと思う。ともかく、これらをすべて組みあわせると、
妙に自由な気分になれたのだった。               
                                日傘をさす女から 


このエッセイを読んでからは日傘にジーンズにとても憧れて、さっそく
購入してまねをしました。
そのとき初めて買った日傘は生成り色の麻のもので、縁にお花の透かし
模様が入ったとてもシンプルな日傘でした。
明るいグレーのノースリーブのゆったりしたサマーセーターにジーンズ
の裾をくるくる巻いてくるぶしを出して茶色の皮を編んだサンダル
を合わせたり…どんなスタイルにもしっくりしたので嬉しくなりました。

自由な気分になれたと言うのも、この時よくわかりました。
(自由な気分…いい響きですよね)

Imagine Dragons - Shots



その後も私の日傘遍歴は続いて、竹製の柄にふさふさがついた東南アジア
風の黒いものや、白地にピンクのレースが縁回りにちょこっとついた
ものなどいろいろ使っていました。
現在はチャコールグレーで、縁の近くに白い糸で小さな花模様の刺繍
が施されたものを愛用しています。

この本の中には他にもいろんなシーンの女性たちの姿があります。
他にも読書をする女、編みものをする女、海を眺める女、ピアノ
を弾く女、髪を切った女、ピクニックをする女…などなど。











最近は鳥の鳴き声が賑やかになってきました。もうそろそろ練習
中のウグイスの声を聞かれそうです。
何度も何度も同じように鳴いているので、聞いてる私もつい力が
入ってしまいます。(スムーズに鳴けたときはちょっと感動)

今はこんな風に出来るだけ、綺麗なものや心温まるものに接して
いられたらいいなと思っています。ちょっと難しいかもしれないけれど。













「色を集めてるんだ。冬は灰色だからね。」



今日は朝から曇り(午後になって時々薄日が差すことも…)
空は灰色の雲に覆われて、見ているだけで気分もどんより。

それに底冷えがして手足がとても冷たくなっています。
とくに手は氷のように。
母が元気だった頃、この氷の手で後ろからそっとほっぺに
触れて驚かすことが恒例でした。
いつも笑いながら「わぁ冷たい!あなた冷え性だから…」
こんな会話も今は懐かしくて。


快晴だった一昨日(お日さまも懐かしい…)高い塀の上で
日向ぼっこをしている猫さんを見かけました。
樹と一緒になっていてわかりにくいのですが。


20200122084234452.jpg


猫さんの姿を見ていたら、子供の頃に読んだ「フレデリック」
を思い出しました。
きっとフレデリックみたいにお日さまの光を集めていたのかも。





その他、たんじょうびしろいうさぎとくろいうさぎどろんこハリー
おやすみなさいフランシスなど好きだった絵本を思い出していました。


お気に入りだったのは「ねむりひめ」です。絵が大好きでした。






明日から雨のようですね。
気圧と一緒に気分まで落ちないようにがんばりまっしょい…です。


Lily Allen - LDN






(タイトルはもちろん、フレデリックのセリフです)

















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プロフィール

mikoto

Author:mikoto
音楽、映画、読書、写真鑑賞、庭仕事(カラーリーフプランツを中心に東南アジアの気配がするような庭を目指しています)、花は白、猫、自然、怪談、散歩、薄明の頃、eagle 810etc…が好きな40代、天秤座・A型です。

12年前に適応障害になってからなんだか違う世界にいるみたい。(今は「こんなはずじゃなかった病」です)日々浮きつ沈みつしながらも「小さな嬉しいこと」を見つけて、静かに心穏やかに暮らしたい…と思っています。なんとなく背暗向明で。

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